幼稚園教諭の免許には、種類があるのをご存じですか?
この記事では、
「幼稚園教諭の免許の種類」「免許による違い」「メリットとデメリット」について書いています。
幼稚園教諭免許状 3つの種類
履修する単位や卒業する養成施設により、「一種免許状」「二種免許状」「専修免許状」にわかれています。
ここではそれぞれの免許について紹介していきます。
三種類ありますがどの免許であっても、幼児教育に関する技術や知識を身に付けているプロであることに変わりはありません。
①幼稚園教諭一種免許状
文部科学省が認めている大学、大学と同程度の教育を行うと認められた短大を卒業することによって所定課程を履修し卒業することで授与されるのが幼稚園教諭一種免許状です。
②幼稚園教諭二種免許状
幼稚園教諭を養成する短大や専門学校や文部科学省が指定する学校で所定の課程を履修して卒業することで授与されるのが幼稚園教諭二種免許状です。
③幼稚園教諭専修免許状
幼稚園教諭を養成する大学院修士課程を修了することで授与できるのが幼稚園教諭専修免許状です。
幼稚園教諭一種免許と二種免許を比較
ここでは「幼稚園教諭一種免許状」と「二種免許状」を比較したいと思います。
種類 | 幼稚園教諭一種免許状 | 幼稚園教諭二種免許状 |
養成施設 | 通信制を含む4年制大学 | 短期大学および専門学校 |
目指せるキャリア | 園長まで | 主任まで |
給料 | 二種免許よりも一種免許のほうが比較的高い |
免許状にある数字は違いますが、ともに幼稚園教諭として働くことが出来ます。
「一種」「二種」と呼び名を変えることによって養成施設や養成課程による違いを一目でわかるようになっているんですね。
一種免許・二種免許による仕事内容について
幼稚園教諭としての仕事内容においては、一種免許状でも二種免許状でも大きな差はありません。
平成16年の文部科学省のデータによると、幼稚園で働いている教諭の構成のうち約75%が二種免許の幼稚園教諭で占められています。
ちなみに、一種免許の幼稚園教諭は全体の約20%。
幼稚園教諭専修免許状を持つ教諭は全体の0.3%です。
ほとんどの幼稚園は二種免許を持つ幼稚園教諭によって成り立っているのがわかります。
二種免許の幼稚園教諭が多い主な理由としては、学校を卒業後早いうちに戦力となってくれて長く働いてくれる可能性があるからでしょう。
幼稚園教諭一種免許のメリット・デメリット
幼稚園教諭一種免許 3つのメリット

給料が優遇されている
一種免許の方が給料が優遇されている場合があります。
一種免許を取得するには大学で学んでいる時間と学費等の費用が掛かっているため初任給や昇給の額を高くしている幼稚園が多い傾向があります。
そのため、一種免許があると転職する場合優遇されることがあるので給料面で恩恵を受けることが出来ます。
就職や転職で選択肢が広がる
幼稚園求人の中には「一種免許取得者のみ」という条件を設定している園もあります。
仕事内容が同じだったとしても、免許状が一種か二種かの違いで選択肢が狭くなるのは悲しいこと。
今後も保育業界で働いていくことを考えているのであれば、一種免許を取得することを考えても良いでしょう。
将来を見据えたキャリア構築
幼稚園教諭一種免許状があると、将来的に園長になることが出来ます。
二種免許状のままだと主任までのキャリアとなるため、将来的に先生たちを統括する立場になりたいと考えているのであれば切り替えることをオススメします。
一種免許に切り替えると幼稚園内のキャリアだけではなく、保育関連の企業に就職する場合にも有利に働く可能性があるので取得しておくことでの損はないでしょう。
幼稚園教諭一種免許のデメリット

働き始めるのが遅くなる
4年制の大学を卒業してから幼稚園勤務した場合、2~3年制の短大を卒業した方と比べると実務経験の年数に差が出てしまいます。
幼稚園教諭は結婚や出産で退職する人が多い分、少しでも長く勤務してくれる人を欲しています。
園に寄りますが、長く働き戦力になってもらえるような短大や専門卒の教諭を採用する園が存在するためデメリットになってしまうことがあります。
職場での先輩後輩の関係が複雑になる
卒業する学校によって働き始める年齢が違います。
そのため、あなたと同じ年齢や年下であっても経験年数が先輩ということが起こってしまいます。
年下から指導や指示されることが出てくるため、仕事のやりにくさや人間関係にストレスを感じてしまう人も多いです。
幼稚園教諭二種免許のメリット・デメリット
幼稚園教諭二種免許 2つのメリット

教諭としての実務経験が早く積める
4大卒であれば22歳卒業ですが、短大卒であれば20歳で卒業できます。
幼稚園教諭は20代で退職する人が多い職種です。
二種免許であれば2年早く働き始めることが出来るので、その分実務経験を多く積むことが出来ます。
幼稚園教諭としてのキャリアを積み上げていきたいのであれば、一種免許に切り替えることができるため将来の働き方を柔軟に選ぶことが出来ます。
取得までの時間と費用が抑えられる
短大や専門学校であれば4大よりも学費を抑えることができ、幼稚園教諭に必要な知識や技術を短期間で学ぶことができます。
そのため、社会人の方や保育補助をしていて幼稚園教諭の免許が欲しいという方にはメリットになります。
幼稚園教諭二種免許のデメリット

給料面で不満が出やすい
幼稚園の中には一種免許所持者と同じ待遇という園もありますが、すべての園でそうではありません。
一種免許状を取得している人に比べて、給料が少ないというデメリットがあります。
二種免許の場合、一種免許に比べると比較的給料を低めに設定していることが多い傾向にあります。
後輩よりも現場経験があったとしても二種免許であるために、一種免許の後輩とあまり給料が変わらないなんて可能性が出てきます。
「私の方が先輩なのに。なんで…」と不満につながってしまう可能性があるので要注意です。
目指せるキャリアは主任まで
二種免許がある場合、目指すキャリアは『主任』が最高となります。
二種免許では園長になることができないため、「将来的に幼稚園を作って園長になりたい」と志しても基本的には園長になることはできません。
将来のキャリアとして園長を目指すのであれば、一種免許を取得する必要が出てきます。

さいごに
幼稚園教諭の一種免許と二種免許には、それぞれメリットとデメリットがあります。
働く目的や将来を考えながら、あなたのキャリアを見つめ直すのもいいでしょう。
二種免許で働き始めたとしても、一種免許を取得することは可能ですので希望する働き方によって選択できますよ。